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  鱧。

今日の日経新聞、ハモ(鱧)の初セリのニュースが紙面に載っていて。

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小津安二郎の映画「秋刀魚の味

に、

オープニングふきんで、

関東の人だとハモは食べたことがない、

という描写がある。

小さな同窓会に、呼ばれた漢文の先生が、

料亭で椀物を食べていると、その中になにかわからない魚の身の料理があって、

「これは何ですか?」と言うと、教え子が「それはハモですよ」

「ああ、これがハモか、魚ヘンに豊、と書くのだよ、、」

と言うのは、その後、テレビの水戸黄門をやることになる東野栄治郎。

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鱧料理は京都の夏の風物のひとつで、

海から遠い京都で海の香りを楽しめる魚で、

鱧落としの白い色、と梅肉との赤とのコントラストは綺麗だが、

そんなに「美味!」ってわけじゃない。

鱧落としにしたものを、空揚げにして、あんかけにしたもの

くらいだと、まあ、美味しい。

蒲焼も、まあまあ美味しいのだが、焼くまでの骨斬り、串打ちも手間なのに、

焼くときの、串が身に引っ付かないように廻しながら白焼きし、その後、タレを掛けながら、焦がさないようにウマく焼くのも大変で、、。

その蒲焼の棒寿司や、

蒲焼の身を完全に潰しての箱寿司は、ウマい。

、、

しかし、もう20年以上、、骨斬りしてないなあ、、。

京都できちんとした板前修業して、鱧の骨斬りが出来ない人は居ない。

地方に流れてきた板前が、「じゃあ、鱧落としをしてくれ」と言われ、

それはやったことありませんってな板前がいたら、

「ほんまに京都に居ったんか?」と疑われるかも。

鱧を捌くのはそれほど難しくは無いが、

細い鱧の、背びれを包丁で押さえて一度に引っ張って取るのが、ウマくいかないときがあると

時間がかかる。

骨斬りは、単純作業なので、慣れればそんなに難しいことは無い。

ただ、若い時に10匹くらい連続して仕事すると、包丁を握った手の指が曲がったまま

なかなか元に戻らないことがあった。

こちら岡山では、良い料理屋の夏のメニューに出てきたり、

秋の土瓶蒸しに使うことがある程度で

普通の食卓では、ほぼ食べない。 

瀬戸内にはもっと美味しい魚が沢山あるので、

カマボコや竹輪に練り込んでの消費が一番多い。

ちなみに、今は、骨斬りの専用機械が出来ている。

魚屋がテナントで入ってる以外のスーパーの魚売り場で、

骨斬りのまま、ナマで売ってるのは、だいたいそれ。

経験がある自分で言うのもなんだが、機械のほうが、まだまだ下手。

アラから取れる出汁は上品でおいしい。

蒲焼の身を取って残った皮を刻み、胡瓜もみにまぜて食べても美味しい。

珍味で、浮き袋を茹でて酢味噌で食べたことがある。

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余談ですが、

小津安二郎の「秋刀魚の味」には、

秋刀魚は出てきません。